セルフクリンチングファスナーとは

  • セルフクリンチングファスナー(圧入ファスナー)は、下穴を開けた部材にプレス圧入することで、部材が塑性変形しセルフクリンチングファスナーが固着します。のこぎり歯状の締め付けリングは、回り留めの役割を果たします。
  • 様々な材質・厚み・表面処理の母材に対応したナット・スペーサー・スタッド・ピンなどを選択でき、安定した高い締結力と美しい仕上がりを得ることができます。また、ねじ立ての困難とされていた薄板への使用にも適しています。
  • これらのファスナーは、自動車・航空宇宙・エレクトロニクス・産業機械・医療機器・エンクロージャー / ハウジングなど、多種多様な産業分野で信頼性の高い締結ソリューションを提供します。
  • セルフクリンチングファスナーは低コストで、環境にやさしい接合方法です。表面付着形式のファスナーとは異なり、セルフクリンチングファスナーは接続される素材のコア内に締結できるように設計されています。
  • スチールおよびアルミ製の薄いパネルに、強力な耐荷重性のおねじまたはめねじを提供します。
  • 取り付けは簡単です。予め用意された下穴にセルフクリンチングファスナーを設置しパネルに埋め込みます。
  • 省スペース:ケージナットやアンカーナットと比較すると、組み立て作業のステップ数が少なく、必要な作業スペースも小さくなります。
  • 引抜力と負荷トルク:ファスナーの選択には、引抜力だけでなく負荷トルクも非常に重要な条件となります。特に、金属の極薄板にファスナーを確実に固定したい場合には必須です。
  • すっきりとした外観:コンパクトなデザインとロープロファイルと共にすっきりとした外観が作り出されました。
  • コストパフォーマンスに優れています。
  • 非常に薄い素材に強力なねじ山を提供します。
  • 抜群の耐押抜力およびトルクアウトをもたらします。
  • 面取り、バリ取りなどの特別な下穴加工は不要です。
  • 加工後の再タップも不要です。
  • 母材の裏側への影響はありません。
  • プロセスの簡素化により、取り付けミスを減らし、品質管理に役立ちます。
  • 部品が少ないため、組み立てのステップ数の削減や時間短縮にもつながります。

用途に応じて、以下の材質のセルフクリンチングファスナーが選択可能です。

  • スチール
  • ステレンス鋼
  • アルミ
  • 真鍮
  • 青銅(ブロンズ)

商品

セルフクリンチングファスナーは様々なサイズやバリエーションがあります。お客様の使用用途に合わせ、最適なセルフクリンチングファスナーを提案しサポートさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

セルフクリンチングナット

様々な母材に簡単。確実にめねじを立てることができます。母材の金属の延性と厚さ・表面処理などに合わせることに加え、目的やクリンチングファスナーの素材・必要とされる強度などを考慮して選択することは大切です。


セルフクリンチングスタッド

セルフクリンチングスタッドは、取り付け先の部品またはコンポーネントおねじとして恒久的に取り付けられるように設計されています。アルミ・スチール・ステンレス鋼などの材質で、様々なサイズ・用途に最適なセルフクリンチングスタッドを選択できます。


セルフクリンチングスペーサー(スタンドオフ)

セルフクリンチングスペーサーは、プリント基板(PCボード / PCBs)やその他の電子部品組立の壊れやすい回路や電気コネクターを保護します。また、組み立ての母材から浮かせた状態でハードウェアを取り付けるための安定したプラットフォームを提供します。


プリント基板用のセルフクリンチングファスナー

プリント基板用のセルフクリンチングファスナーは、1つのPCボードを別のボード・金属シャーシ、またはその他のコンポーネントに接続するように設計されています。ステンレス鋼・炭素鋼・真鍮あるいはリン青銅と一部のはんだ付けも可能なものがあります。


セルフクリンチングパネルファスナー

このファスナーは、ねじ組み立てを金属パネルに恒久的に取り付けます。組み立てに含まれるファスナーを使用することで金属パネルの取り付けおよび取り外しを行うことができます。


セルフクリンチングピン

セルフクリンチングピンはセルフクリンチングスタッドのように、恒久的に取り付けられたオスピンを提供します。組み立てのために他のコンポーネントを位置合わせする際の“ガイドピン”として多く使用されています。

仕組み

リベットのように、セルフクリンチングファスナーは、土台として使用する素材の下穴に挿入します。金属のセルフクリンチングファスナーもプラスチックのセルフクリンチングファスナーも、挿入後は再びゆるんだり外れたりすることはほとんどありません。インストールは1回限りの永久的なものです。セルフクリンチングファスナー取り付け後、通常は対応するねじを締結します。

セルフクリンチングファスナーは、挿入用ねじ山が切られており、挿入すると下穴の周囲の母材が、圧力によりファスナーのシャンクにある環状のくぼみに流れ込み、押し抜きを防ぎます。さらに、ファスナーが母材内での回転を防ぐ鋸歯状のリングもあります。インストールプロセスが完了すると、セルフクリンチングファスナーは母材の永久的なパートの一つになります。

組立時の注意点

セルフクリンチングファスナーは名前が示すように、基本的には専門工具を使うことなく取り付けが可能です。ただし、取り付けの際には、下記の点にご注意ください。

  • パネルとセルフクリンチングファスナーの両方が同じような材質であっても、パネルは常にセルフクリンチングファスナーよりも可鍛性が高くなければなりません。セルフクリンチングファスナーを所定の位置にロックするための適切な圧力が必要とされるためです。
  • パネルの最小厚さは、セルフクリンチングファスナーの選択で軽視することのできない要素です。
  • ハンマーでセルフクリンチングファスナーを叩き入れることはできません。セルフクリンチングファスナーの挿入速度が速すぎて圧力が適切に発生できないためです。
  • 必要に合わせて高品質のセルフクリンチングファスナーをご購入ください。高品質のセルフクリンチングファスナーは正確な製造方法と厳しい品質検査が求められます。製造におけるわずかな差異でさえ、後で大きな問題を引き起こす可能性があるからです。