日本で広く使われているメートルねじ(JIS規格)のほかに、インチねじ(ユニファイ・ウィット)、DIN(ドイツ工業規格)など、世界中に多くの規格があり、様々な業界、製品に使用されています。
それぞれ別々に発展してきたそれらの規格は互換性がないため、ねじ込むことができるように思えても、確実な締結や安全性を保証することはできません。それで、交換の際には同じ規格のものを使用することが大切です。

ウィット

ウィット規格

ウィット規格は、イギリスの産業革命期に標準ねじ規格として史上初めて定められ、世界各国に広まりました。かつては日本のJIS規格にも採用されていましたが、1968年3月に廃止されています。しかし今でも建築・給排水などの分野や、古い機械で一部使用されています。
同じインチねじであるユニファイねじと区別するように、多くの場合でサイズの前に“W”と付けられます。違いはねじ山の角度で、ウィットねじの山角度は55°ユニファイねじの山の角度は60°となっています。ウィットねじもユニファイねじも”インチねじ”と呼ばれますが互換性はありません。六角穴はメートルねじと同じ規格です。

ユニファイ

インチねじの一種でANSI(アメリカ規格協会)の規格によるねじで、ピッチを1インチ(≒25.4mm)に対して山数で表します。ねじ山の角度はメートルねじと同じ60°です。並目ねじ(UNC)と細目ねじ(UNF)で表され、ねじ径の後ろにピッチを記載される事が多くあります。
欧米製の機械、自転車・バイク・自動車といった車両の一般的な締結に使用されています。
日本で広く使われているメートルねじやウィット規格ねじとの互換性はありません。六角穴付き商品の場合、六角穴もインチ規格ですので締結工具(六角レンチ・六角棒スパナ)もインチ製品をご利用ください。

ユニファイ規格

DIN

DIN規格

ドイツ工業規格(Deutsche Industrie Normen)の略称です。DIN規格にはねじの他にも38,000件を超える規格が制定されており、ドイツ国内のみならず国際的にも広く参照され、ISOやIECといった規格にも大きな影響力を持っています。
締結部品においてもDIN規格製品があり、世界で多く採用されています。