様々な外形に筒状の穴があり内側にねじが切ってあるもので、めねじとも呼ばれます。ボルトなどのおねじとセットで用いられます。一般には外形が六角柱をした六角ナットのことをナットと呼びますが、フランジやゆるみ止め・爪付のものや、手締め用、連結リング付き、溶接や埋め込みナット、頭部を覆った袋ナットなど様々な機能を持つものがあります。
めねじの谷の径を呼び径としており、メートルねじが一般的ですが、ユニファイ等のインチネジも配管・光学・時計機械等では用いられています。安全性を担保するために、ボルトとナットのサイズや規格が合致することは大切です。

六角ナット

六角ナット

周囲が六角の形状をしており、ボルトを締結する最も一般的なナットで、橋や船などの大型のものから精密機器に至るまで、様々な大きさのものが使われています。
通常、六角ナットと言えば“1種”を表し、ねじサイズ(呼び径)の約8割の高さで片側面取りとなります。その他にも“2種(1種と同高さで両面取り)”や“3種(呼び径の約6割の高さで両面取り)”、10割ナット(呼び径と高さがほぼ同じ)などがあります。3種については、『ジャムナット(ジャミナット)』などとも呼ばれます。
ゆるみ止め機能付きかじり(焼き付き)防止クリーンルーム用などの高機能製品も開発されています。また、外形の小さい小型、さらに小さなスモールナットは、製品の小型・軽量化や作業の省スペースに役立ちます。
六角ナットは、2014年4月にJIS規格が改訂され、種別名や一部寸法が変更となっています。今後は新規格へ移行していく動きとなります。詳細については『附属書品から本体規格品への切り替えガイド』をご覧ください。

高ナット

通常の六角ナットより高さが高いことから“高ナット”と呼ばれ、長ナットやロングナット、継ぎ手ナット・スペーサーナットとも呼ばれることもあります。主におねじ同士の結合や高さなどの調整に使用され、自動車・バイク・建築・機械メンテナンス・自動販売機の高さ調整やプリント基板取り付けなど幅広く活用されています。六角ナットより長いことから、脱着時に落下の心配も少なく手動調整用としても活躍します。
細目・ウィット製品もあります。
サイズ表記は、呼び径×六角対辺(二面幅)×高さ(長さ)となります。

高ナット

袋ナット

袋ナット

一般的な六角ナットの片面がドーム状の頭部で閉じられてネジ穴が貫通していない六角ナットです。袋付き六角ナットやキャップナット、化粧ナットと呼ばれることもあります。
ねじ・ボルト先端部の露出を防ぐのでサビやねじ山の損傷を防ぐと共に、安全性が高く、手すりやカバー等の人目につく部分や人や物が触れる部分、公園の遊具や福祉機器に用いられます。また、化粧ナットという名称の様に意匠性も高くなります。
袋ナットはキャップの形状とその製造方法で「形」が定義されています。1形、2形は切削加工によって六角ナットとドーム頭部が一体成型され、2形には逃げ溝が有ります。3形は成型した六角ナットとプレス加工で成形したドーム部を溶接し一体化します。「種」とは六角ナットの規格で、1種は着座面には面取りが無く(片面取り)高さは呼び径の約8割です。2種は高さは同じで両面取り、3種は両面取りで高さが約6割と薄くなります。袋ナットの流通のほとんどは3形2種となります。

ナイロンナット

六角ナット先端部にナイロンがかしめてあるゆるみ止めナットで、ナイロンインサートロックナットやナイロン付きナット、ナイロン付き六角ナットとも呼ばれます。
非金属インサート付きプリベリングトルク型ナットと定義され、全体が樹脂製のナットではなくナイロン製リングがかしめてあります。米国で開発され、日本では戦後自動車産業から普及しました。おねじがナイロンへ食い込み、ゆるみ止め効果が得られるので、振動の多い場所で生じる回転ゆるみ対策として車両関係・機械等あらゆる産業で活用されています。
扱いは簡単でナイロンリング側を上(外側)にして一般工具で締結でき、反復使用は5回まで可能です。

ナイロンナット

フランジナット

フランジナット

六角ナット下部座面に広いフランジ(つば)が付いているナットで、フランジ付き六角ナット・座金一体型ナットなどとも呼ばれます。
「フランジ」が平座金の様に着座面を安定させ、広い着座面積により座面の圧力を下げるので、母材の陥没によるゆるみを防ぎます。また、高トルクで軸力を高めることで締結強度を上げ、振動によるゆるみを軽減できます。また、フランジ部が平座金の役割を果たすため、座金の組み込みを必要とせず作業効率がアップし、意匠性も高まります。
母材にしっかりと食い付きゆるみ方向への回転を防ぐセレート(座面のギザギザ部)付、相手材の塗装などを傷つけないセレート無しがあります。

アイナット

ナット頭部のリング部分を目(eye)に見立てて”アイナット”と呼ばれています。吊りナットとも呼びます。キュービクル・工作機械・モーターなどの重量物に取り付け、リングにワイヤーなどを通し吊り上げます。頭部がリング状になったボルト(アイボルト・吊りボルト)もあります。
アイナットは重量物を吊り上げる目的で使用し、その破損は大きな事故に直結するため、重要保安部品とされています。「安全の為に・受け側の材質は鋼または鋳鉄とし、植込ボルトの精度、材質、ねじ長さは、アイボルトに準じたものとする・引き起こしや横吊りには使用しない・2個のアイナットのリングの向きは同一平面同一方向にする」などをお守りください。
また、使用荷重を守ってください。一つの対象物について垂直吊りや45度吊りなどの使用個数に関係なく、そのボルトサイズの使用荷重が適用されます。

アイナット

蝶ナット

蝶ナット

外観を蝶がはねを広げたと見立てて名がついており、ちょうナットやウイングナット(wing nut)とも呼びます。おねじと組み合わせて使用するめねじです。翼の部分を手でつまんで締結・取り外しが出来るので、締結強度が求められず繰り返し付け外しを行う場所で利用します。同形状のおねじ、蝶ボルトも有ります。全体が金属製で耐久性があり、外観は美しく清潔に保ちやすいので医療機器・工作機械・電動工具・農業機械・家電製品・楽器・家具等様々な場所で利用されています。
翼の形や大きさ、製造法等でJIS1種~4種に分類されます。1種は先端が円弧状、2種は角型・はねの小さなRタイプと大きなHタイプで、製造方法(圧造・鍛造・鋳造等)は任意です。3種はプレス加工と定められており軽量で安価、4種は先端が角型翼の中央部がくぼんで鋳造と定められています。

鬼目ナット

組立て・解体や着脱を繰り返す組立構造方式家具にボルト接合用めねじを設置するために開発された木材向けインサートナットです。木製の家具などを組み立てずに運搬して現地で組み立てる事(ノックダウン式)を可能にし、現地での高強度・高精度の組み立てを簡単に行うことが出来ます。組み立て家具や脱着を繰り返す箇所にも最適です。
鬼目ナット胴体部の外周にはギザギザや羽のような出っ張りがあり、母材に開けた下穴にねじ込むまたは打込むと、その出っ張りが相手材へ食い込み固定されます。木材に雄ねじを組み込める「ハンガーボルト」や、ユニット家具等の組立用に開発された「ジョイントコネクターボルト」を用いることにより、木製部材をしっかりとつなぎ合わせることが可能となります。
鬼目ナットには大きく分けて‘打込み式’と‘ねじ込み式’、また‘つば付’と‘つば無’の2つのタイプがあります。

鬼目ナット

ジョイントコネクター

ジョイントコネクター

モジュール化されたシステム家具やユニット型のキャビネット、ノックダウン方式組立家具にジョイントコネクターボルト(JCB)シリーズと組み合わせて使用する様に設計・デザインされた袋状の化粧ナット、キャップ式飾りナット(めねじ)です。
締結後の外観・形状がボルト、ナットで全く同一になる為、両面の外観を美しく統一することが出来ます。また胴径もφ9でボルト・ナット共に同じ下穴径で使用でき作業の効率が上がります。ねじサイズはM6、部材の厚みやジョイント部の形状に応じ長さは12㎜と17㎜の2種類から選択できます。また表面仕上げもニッケルめっき・ブロンズめっきの2色から選択できます。

溝付きナット

ヨーロッパの古城に見立ててキャッスルナッとも呼ばれ、古くから割ピンなどと併用してゆるみ止めとして用いられている溝付き六角ナットです。1種は六角ナット上面片側に直接、放射状の6本の溝が刻まれた姿をしています。2種は六角ナットの片側に円筒部を設け、この円筒部分に6本の溝を刻んでいます。それぞれに高形と低形があり、1種をスロットナットやキクナット、2種をキャッスルナットと呼び分けることもあります。
締結後、貫通穴(ピン穴)を開けたボルトとナットの溝へ割りピンなどを通すことでボルト・ナットが一体となり、互いに対して回転しないことで締結のゆるみやボルト・ナットの脱落を防ぎます。施工には熟練が求められ加工の手間もありトータルコスト高となる為、最近では施工の簡単な進化した緩み止め製品と置き換えられる傾向も有ります。
本製品のみではゆるみ止め機能はありません。

溝付きナット

Uナット

Uナット

六角ナットにフリクションリングと言われるリングがかしめてある「メタルリングゆるみ止め機能」を持つナットです。おねじを締付けた際リングにばね作用が働き、おねじに対して反発力が生まれ、ゆるみ止め効果が得られます。
通常の六角ナット同様に一般工具で簡単に締付け作業を行えるので手軽に導入でき、再使用可能です。金属のみの構成で高い耐熱・耐寒性があり、耐久性・耐振動性も優れています。
狭い場所に取り付け可能な薄型、座金を必要としないフランジ付き、任意かつ適切な位置決めが可能な画期的ベアリング用“ファイン U-ナット”、安全性や意匠性を高めたキャップ付きの製品もあり、鉄道や連絡橋などのインフラから遊具やベビーカー、福祉機器まであらゆる産業界で利用されています。

溶接ナット

薄鋼板などへめねじを作るために溶接するナットでウェルドナットとも呼ばれ、自動車・産業機械など様々な分野で使用されています。
従来の溶接に加え、専用機械でのプロジェクション溶接に対応した製品が開発されています。プロジェクション溶接は抵抗溶接の一種で、溶接時間が極短く加工コストが低い、位置精度が高く複数部品を一度に溶接可能、溶接棒やフラックスが不要等の特徴があります。
六角・四角ナットに加えT型もあります。T型はフランジ面が締結部を補強し母材の薄鋼板の変形を防ぎ、高トルクでの締結が行える、強度に関わらない部分の肉厚を削るので軽量かつ十分な補償荷重を得られる、フランジ部で通電するため溶接によるネジ部の変形や歪みが無い、振動に強いなどの特徴があります。
bigHead(ビッグヘッド)社のボンディングファスナーや、MM-Welding®社のウエルディング技術は、従来の溶接では対応できなかった様々な素材に強力な接合ができ、軽量化・生産コストの削減・環境にやさしい革新的な製品技術で、次世代の製造業に貢献します。

溶接ナット

ハードロックナット

ハードロックナット

偏心した凸部を持つ凸ナットと、中心に穴を開けた凹ナットを組み合わせたコンビのナットで、凹凸のナット間にくさび作用を働かせ、ボルト軸に対して直角に応力を加える事が出来るゆるみ止めのナットです。一般のスパナ等の工具一本で施工でき、従来の「ダブルナット」を施工するより、時間の短縮および省力化を図ることが出来ます。 ボルト間位置でも完全固定と微調整が出来、トルク管理も容易です。
強力なゆるみ止め効果は長時間永続し高熱にも強く、保守点検の手間を大幅に削減します。鉄道・新幹線・船舶・自動車・F1マシン・ジェットコースター・掘削機・産業用ロボット・工作機械・高層建築・発電所・風力タワー・鉄塔・橋梁・高速道路・住宅・車椅子など、ねじのゆるみが大事故につながりかねない現場で多く使われています。
高さを考慮してボルトの長さを調整する必要があります。
再使用の際は凸ナット締結後、凹ナットを凸ナットに当たるまで手締めして隙間をご確認ください。隙間が1ピッチ程度あれば再使用可能です。隙間がない場合はご使用いただけません。

ノブナット

機能性に優れた樹脂の握り「ノブ」に特殊加工を施したRoHS指令適合の低カドミ仕様の黄銅ナットを一体成形したノブナットです。ナット部分を特殊形状に加工して確実にインサートしているので空回りや脱落等の問題を起こしません。
上品な見た目と優れた機能性を併せ持ち、医療・介護機器・食品・産業機械・OA機器・家具・電動工具等に利用されています。手だけ締め付け・ゆるめができるため、頻繁に付け外しや位置調整を行う必要のある箇所に最適です。また手締め専用ですので過大なトルクで締め付けてねじや機器を破損しまうこともありません。

ノブナット

エンザート®

エンザート

軽合金や樹脂、薄物素材などねじ山がつぶれてねじが止まらなくなる状態を起こし易い材料に挿入してねじ部の機械強度を補い、信頼性の高いねじ締結を可能にします。
接合部分の締結力を高め、高強度で摩耗・腐食・熱・振動等による損傷も防ぐことが出来ます。さらに、ねじバカを起こしたネジ穴をねじの呼び径を変えることなく同じ場所へ修復することが出来ます。
タップ切が必要ない “自力切削式” セルフ・タッピング・インサートです。挿入の際の作業性に優れ、セルフロック機能を持つため引抜きやゆるみに強いという特徴が有ります。
半導体・自動車業界を始め、家具や組み立て家具からバカ穴の補修まで多岐にわたり使用されています。加工はボルトとナットの組み合わせを使用することで可能となります。また機械加工用専用ツール、専用ハンドツールもあります。
ドイツのKKV社(Kerb-Konus-Vertriebs-GmbH)のエンザート®(Ensat®)は、様々なねじインサートオプションを提供しています。
母材の種類によりタイプを使い分けます。下穴径の選定にご注意ください。

インサートナット

軽金属や樹脂などのめねじ補強用のワイヤーインサートです。
応力集中が改善されてねじ山の破損を起こさず、引っ張り強さが増加し締結力が増します。めねじの磨耗・破壊・焼付き・カジリ等の問題を防止する補強部品として使用でき、ボルトのサイズダウン・母材の置き換え等で小型・軽量化が図れます。また、損傷しためねじをローコストで同じサイズに再生することができます。
従来のタング付きワイヤーインサートに加え、“タング”(コイル先端を内側へ折り曲げた挿入用のガイド)を無くし、代わりに挿入・抜取り用の“ノッチ(返り)”を両端に設けタングレスインサートも開発されました。専用工具での簡単・確実な挿入・抜取りを実現し、挿入に方向性が無くタングの折り取り・除去の手間やタング折り取りの際のピッチ飛びの心配も不要で、作業時間を大幅に短縮できます。

インサートナット

ナイロンねじ

ナイロンねじ

快削黄銅(BsBM 真鍮)製のナット(めねじ)を、艶ありナイロン樹脂の円盤状つまみに埋め込んだ化粧ナットです。滑り止めのローレット加工がなされているので指でつまんで簡単にねじ込みやゆるめることができます。角が無いので引っ掛かったりせず安全性も高めます。ナットをカバーしてねじやねじ穴を露出させず液体をシャットアウト、ねじやパーツを腐食・サビから保護します。ナイロンはポリアミド(PA)とも呼ばれる軽量で強靭性な熱可塑性樹脂のエンジニアリングプラスチックの一種です。耐衝撃性・耐摩耗性・柔軟性は高く電気的特性も良好という優れた機械特性を有しています。耐油性や耐薬品性も高く長期間使用に対する耐老化性にも優れ美しい外観を保ちます。
事務用機器・照明器具・電気機器・ディスプレイ用器具等様々な用途で用いられ、頭部径・ねじ径は用途に応じて選択可能です。

手締め

押したり引いたりする操作ノブとして使用されるマッシュルームノブやにぎり玉ナットは、汎用性が高く、工作機械のレバー先端部・家具やパネルの開閉部などに使われます。黄銅製のナット部を持つものと、樹脂のみで錆びる心配のない金具なしがあります。
介護・医療・健康機器や事務用機器などに最適なラージグリップナットは、握り易さを追求したデザインを採用しています。普段工具を持ち歩かないユーザーが頻繁に付け外しや位置調整を行う箇所に最適です。頭部(樹脂部)にガラスビーズで補強した特殊ポリアミドを使用し、耐衝撃・耐候性・耐薬品性を向上させました。
黄銅はカドミウム(RoHS指令での特定有害使用制限物質《100ppm以下》に指定)の含有量を75ppm以下にした地球にやさしい仕様です。

手締め

各種ナット

各種ナット

ナットには、様々な優れた機能を持つものや特定の用途に適したものが多数あります。
ゆるみ止めを目的として、溝にはめることで固定できる四角ナット薄い板ナット、スプリングや皿ばね付きナット、母材に開けた下穴に埋め込んで使用する回転止め爪付きTナット、ゆるみ止めスプリング内蔵のハイパーロードナット、米国航空規格NAS3350による3万回の振動試験に合格したスーパースリットナットなどが開発されてきました。
また、丸パイプ打ち込み専用のスパイダーナット、六角ボルトや寸切ボルトと組み合わせてアジャスター機能を付与できるアジャストナット、溶接に不向きな母材に圧入できるカレイナットなど特定の必要に応えるものもあります。
作業効率をアップし、軽量化を図り、地球や人にやさしい技術や製品が日々開発されています。

セルフクリンチングナット

下穴を開けた部材にプレス圧入する締結具です。薄板のねじ立てが可能で、高い強度と美しい仕上がりを両立します。
ナットを押さえながらビス締めするといった工程も、バーリング工法の際に生じるバリやヒゲの後処理、溶接工法の際の再タップなども不要なため、作業時間の短縮やコスト削減などにも貢献します。
取り付けには汎用のプレス機を使用しますが、特別な資格を必要としないためどなたでも作業でき、安定した強度を担保できます。
クリンチングナットは、様々な用途や母材に対応した製品が多数あり、設計段階でこれらを選択することにより、製造現場の効率化、CO₂排出削減に役立ちます。

セルフクリンチングナット

セルフクリンチングスペーサー

セルフクリンチングスペーサー

セルフクリンチングスペーサーは、下穴をあけたケース・部材にプレス圧入するだけで、垂直度の高い支柱の取付ができます。母材下穴に圧入すれば表面をフラットに仕上げることが可能で省スペース・安全性・意匠性に優れた加工方法です。母材に固着させるので薄物にも高い取り付け強度を実現でき、圧入する精密板金加工品とスペーサーの材質を同じにすればより外れにくくなります。
ブラインドタイプは部材穴に貫通穴を必要としないため、液体が入る製品にも安心して使用できます。
クリンチングスペーサーは、航空宇宙・自動車・エレクトロニクス・エンクロージャー/ハウジング・機械工学・医療機器など、様々な産業分野で信頼性の高い締結ソリューションとして、設計段階から採用されています。

ブラインドナット

直タップできない肉厚の薄い金属板や樹脂素材等に容易にめねじを取り付ける事のできるブラインドナットです。
母材薄板の下穴へナッターと呼ばれる工具を使い挿入しカシメます。溶接ナットや板金によるバーリング加工とは異なり大掛かりな装置は不要で初心者でも簡単に作業が可能です。片側からだけの施工作業でスピーディーにめねじを敷設しねじ締結できるので、溶接できない素材や裏側へ手を入れられない閉鎖断面、補修やDIYでも活躍します。先端が閉じていないオープンタイプはねじ長を自由に選ぶことができます。母材を傷めず表面処理後の取り付けもできるので製品組立の最終工程での取り付けが可能です。組立ラインの自動化に適しており、組立工程を簡略化し時短も図れるのでトータルコストダウンに有効です。
頭部フランジがより小さい”スモールフランジタイプ”や、ねじ側にオイルや水を通さない袋状になった“シールドタイプ”もあります。

ブラインドナット

樹脂ナット

樹脂ナット

金属に比べ、約1/5~1/6と軽量で、絶縁性・耐食性・断熱性・非磁性に優れた樹脂ナットは、電気・電子分野から自動車・医療機器にいたるまで、幅広く用いられています。
数多くの素材が開発されており、それぞれの特徴を生かして、用途、使用場所に合わせて選択可能です。金属の代替材料として自動車などの輸送機部品・一般機械・精密機械部品・電気・電子機器部品・土木建築用部材などに用いられています。金属ナットと同じく様々な用途に合わせた形状が製造されています。
金属との接着・接合・焼きばめが可能な素材や、ダイオキシンを発生させない素材もあります。
樹脂素材の製品に利用することにより、廃棄時の分解処理が不要となり、地球にやさしい製品を製造することが可能です。